Autobiographyの醍醐味は文中で語られていないことを探しながら読むことにある。行間を読むってやつである。
日経の「私の履歴書」は、成功譚、自慢話といったところもあり胡散臭いが、スポーツ新聞を読むよりは面白い。特に秀でたものも年に何回かはあり、そんなときは一月、朝が楽しみとなる。3月に入り、早石修氏の登場とあいなったが、昨今の捏造オンパレードの時代背景で何をおっしゃるのか想像するのは楽しい。
早石氏は復員後、医者として働こうと考えていたというが、日本の良識ある人は「にぎり飯より柿の種だよ」といって若者を基礎研究に導いたという。阪大において米国に招聘されるピロカテーズの研究をされた時も、戦後の混乱期に物資の乏しい中で、自らの研究人生を賭して精製したトリプトファンを分け与えてくれた先達がいたという。たぶん、A.コンバーグとの出会いや、NIHのサポートについて語られるのであろうが、生命誌館のサイトにあるEssayでは省かれた事実や発言も載録されるのを期待したい。
「一燈を掲げて暗夜を行く。暗を恐れる勿れ、一燈に頼れ」古武弥四郎
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