Friday, March 24, 2006

「陰謀論」と「宝探し」それから「単純なキャラクター」がDan Brownの三種の神器だ。一気に読ます仕掛けを用意して、24時間以内に決着をつける。ここまで揃えば、首尾は上々だ。
 読者は、馬鹿馬鹿しいと思いつつ、そのまま読んじゃう。最高のpulpe fiction writerじゃないか。
 今朝、Slateに出ていたBryan Curtisのエッセイを読んで、大笑いさせてもらったのだが、Brownが金脈を掘り当てるまでの経緯は一寸面白かった。
 小学校で型どおり、Faukner、Steinbeck、Dostoyevsky、Shakespeareを読まされたものの、小説というものにはまったく手をだしたことがなかった彼が、タヒチにバカンスに行った時、たまたま読んだSidney Sheldonの「陰謀の日」に天啓を受けたらしい。彼は「Sheldonに比べればShakespeareは勿体ぶっていて、とろい」と感じたようで、俺もいつかこんな小説が書けるのだろうかと思い始めたという。
「うーん、そんな風に思える人が世の中にはいるんだ!」とあきれてしまうが、彼はそういう人らしい。それで、所謂、Dan Brown thrillerを成功させるためのストラテジーを練ったわけだ。冒頭の三種の神器だ。都合のいいプロットをでっち上げ、主人公をその通り動かし、スピードで煙に巻くわけだ。それできちんと成立するところが、Brownの真骨頂なのだろう。
 彼の主人公の名前の付け方は、ガイジンガイジンした名前か、ものすごく凡庸な名前のどっちかだというCurtisが指摘は笑ったが、Robert Langdonという名前がBrownのお気に入りで、「苗字がtwo syllableなのがとっても“New England”ぽいでしょ」とか言っているらしい。
   とほほ...
 Slate March 22 Dan Brown code

Dan Brownを冷やかしているエッセイとして、2005June 21のSlateのConspiracy Theoriesがあり。Hitchens大人気ないぞというものです。こちらもぜひ一読を。

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