Thursday, March 30, 2006

ここしばらく風の強い日が続いている。桜の花も酔客に囲まれるのを快く思っていないのだろうか? ブルーシートと桜じゃ、歩兵と王女様のようで不釣りあいだし、場所の取り合いのために鋲まで持ち出すとなると、もはや救いがたい。 桜を愛でるなら暖色系の照明が仄かに灯るくらいがいい。夜風にゆれる提灯と黒い水面に反射するオレンジの光があれば、パーフェクトだ。あるいは、朝の3~4時に起き出し、山まで車を飛ばし、霧に佇む老木の下を歩くのも楽しいものだ。
 これからの時期、桜を先頭にして様々な花の開花が始まるが、チューリップとラッパスイセンは和風とも洋風ともいいづらい独特の位置づけにあるような気がする。 チューリップは明らかにシンプルでバタ臭い花だが、幼稚園など子供のいる風景には必ずあるもので、馴染み深い。もちろんチューリップはオランダの代表的な輸出産品だが、日本でも富山県や新潟県でも大規模に栽培されている。ゴールデンウイークなどになると行楽客の多くは高速道路を通行中に畑一面に咲き乱れる風景を目にし、子供の泣き喚く声にも我慢が出来る。 
 知らなかったのだが、チューリップの原産地はトルコの東部だという。この地の冬は厳しく、湿潤な上に夏季は暑く、乾燥する。 だから、球根をつくり、夏場は我慢するわけだ。北米や日本などでは夏の暑さは変わらないが、夏場は湿潤なので腐ることもしばしばだ。 オランダなどでは開花した後はすぐに球根を引き抜き、夏の旱魃を模した状況におくことで、来年の開花の準備とする。さらに秋に、
選別作業を行い、小さいものは埋め戻し、大きいものだけが売り出される。ホームセンターなどに行ってみると、チューリップの球根は大変安価に取引されているので、殆どの人は毎年毎年球根を買うなのだろう。ただ、あまり手のかからないチューリップだからこそ、手塩にかけてみたいと思う人もいるだろう。 チューリップを何年に渡って咲かせる実験も楽しいのではないだろうか。夏場の地中海沿岸地方を模して、圃場に一切散水なければうまくいくかもしれない。そんなのできるわけないじゃんといわないで欲しい。もし、チューリップがなにより好きならば。 Tulipa Hageri, "little beauty"なる品種の写真を見たが、日本でも入手できるのであろうか?是非欲しい。
                                              Slate March 28

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