Monday, April 03, 2006

 今週から、イングランドの南東部で給水制限が始まるという。
ここ17ヶ月の降雨量は過去70年間で最少とのことで、影響は1000万人に及ぶものと考えられている。1976年の旱魃でさえ、イングランド南部では数百万本の木が枯れたが、今回の場合は深刻で、既に森の木は干乾び始めている。
 数年前にロンドンに行った時には、6月だというのに気温が33度を超え、持参したセータは無用の長物となったが、会う人会う人「こんなの経験したことないね」といっていたのが思い出される。ホテルなどには、エアコンディショナーなどないのが普通だから、皆窓を開けて寝ていたが、こうした状況がしばらく続くと生活習慣さえ、変わってしまうのかもしれない。
 新聞の読者に対する提案を見ると、英国を含む先進国の水の消費のパターンが見えてくるが、我々にもそのうちお鉢が回ってくるのかもしれない。
 開発途上国の一日平均の水の消費量は20L/dayであるが、英国では一人当たり165L/dayとなっている。このうち1/3はトイレのflushに使われるということで、「おしっこをしている間に水を流さない」とか、「トイレの水槽に節水用のHIPOなどを装着する」とかいうのはリーズナブルな対策だ。
一方、「歯を磨く時、水を流しっぱなしにすると、一分間に6Lの水を浪費する」とか、「スポンジとバケツを使って洗車をすると最大250Lの節水ができる」というのも私には耳が痛いので、今日からやめたい。
 みんなが水の浪費を抑えても、深刻な影響を食い止めることはちょっと難しいようだ。昨年の旱魃により南ヨーロッパの農業生産は2、050億円程落ち込んだというが、、南部イングランド地方では比較的小規模な営農形態が多いものの、農業用水の確保がままならず、河川から直接取水しなければならない。こうなると、汚染が懸念される河川の水を作物の生産に使わざるを得ないことになる。また、レジャーとなると、ゴルフコース、あるいはクリケットの芝生の管理はもはやあきらめ顔となっている。ガーデニングの水の確保さえままならないとのことだ。
 阪神」や「中越」の地震を経験された方々にはお分かりだろうが、「好きなだけ水を使えることの幸せ」とは中々理解しがたいものです。便利さとは麻薬のようなものですな。
Guardian March31など

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